境内納骨堂と一般納骨堂の違い

さて、納骨堂と言いましても、その形態、運用方法等には大きな違いがあり、単純に値段だけでは決められません。
そこで、今回は、最も普及しています個別に骨壺ごと納める骨壺収納型の納骨堂について解説します。
一般のお墓と比較して納骨堂のメリットはなんと言っても管理が簡単であること、交通の便がよいこと、価格が抑えられること等があります。
また、無縁墓になりにくく、寺内墓地であっても宗派不問の場合が多いのも特徴です。

 

つぎに、納骨堂を選ぶ場合に見落としがちなのが納骨堂の運営主体です。
寺・神社から離れた郊外墓地にある納骨堂は「○○寺」と書いてあっても、運営主体は民間業者です。なぜかと言えば、納骨堂建設には自治体からの許可が必要であり、宗教法人や非営利団体等にしか許可がおりないので、業者が宗教法人から名義を借りて建設している場合がほとんどだからです。
私の知っている住職は「○○墓地にある自寺の納骨堂には一度もいったことがない」と言っていました。
ですから、納骨堂において不測の事態(破損等)があっても寺は何も対応してくれないし、保証もしてくれません。(例外的に対応してくれる、やさしい寺もあるかもしれませんが)

 

そもそも納骨堂の建立の理由として寺・神社は檀家や門徒の要望やより多くの人々へのご供養のために建立しています。もちろん、経済的理由も一部にはありますが、それが全てではありません。しかし、民間業者による建立は経済的理由以外にはありませんので、いかに合理的にするかが、経営の根本となります。
もちろん、時代のニーズとして納骨堂が求められており、ニーズに添った供給として納骨堂事業を進めることは批判することではありませんが、建立意図の違いにより、納骨後の対応がまったく違うことは考えなければなりません。

それでは、境内納骨堂(寺・神社建立)と一般納骨堂(民間業者建立)の比較を一覧表にしましたので、参考にして下さい。

境内納骨堂 一般納骨堂
立地 寺・神社の境内又は境内墓地 郊外、一般墓地
設置者 寺・神社が直接建立 名義をかりて墓苑業者が建立
価格 約30万円~ 約30万円~
管理費 0~30,000円/年 0~10,000円/年
管 理 寺・神社の住神職や職員 委託業者、自己管理
供 養 日々、大祭、合同供養祭等 年2回程度または無し
交 通 寺・神社であるため、便利 郊外が多く駐車場がない所もある
追 加 いつでも気軽にできる 基本的に出来ない
相 談 いつでも気軽にできる 基本的に出来ない
デメリット 檀家・門徒になる必要がある場合もある 将来の維持に何も保証がない
管理費の値上げ

いかがだったでしょうか、意外と盲点といえる運営主体による違い。各種メディアでも取り上げられることが多い納骨堂ですが、このような観点からの比較は見たことがありません。もしかしたら、何らかの忖度が働いているのかもしれませんね。当ブログでは消費者の目線で、ご供養について考えていきたいと思っています。
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