エンディング産業展 最終日レポート

第4回エンディング産業展最終日レポートです。
台風の影響も少なく、また、友引(葬儀業者は休日)ということもあり、この3日間で最大の入場者ではないかと思われます。また、本日のみ開催のエンディングフェアも開催され、まさに祭り状態です。
さて、本日の1時限目のセミナーですが、
寺族だけで十分売れる永代供養墓のつくり方
講師 つなぐ代表 森口純一氏
内容全般として非常に充実しており、主要な寺の実例を紹介しながらの説明でわかりやすいものでした。
主な内容として
永代供養墓が売れている現状で、異業種からの参入が増えた。しかしながら墓地認可の関係から宗教法人名義が必要であり、寺院に対するアプローチが増えている。
しかし、パートナーとして異業種の企業を選ばずとも、寺院独自での墓苑運営は可能である。
例として国内三ヶ寺の紹介がありました。その中に 山口県岩国市の瑞相寺の紹介があり、若い兄弟僧侶による取り組みや現状について説明され、3年間で檀家が倍増し、納骨堂の増設が追いついていないようでした。その秘訣として檀家との親密な関係構築から口コミによる情報の拡大。機関紙の発行、各種グッズの開発等、自助努力によるものが多く、特に奇をてらった手法はないようです。
せっかくの県内での好事例ですから、近々に訪問してみようと思います。
続いて2時限目は
NPO法人が切り開いた葬送の多様化とその将来
パネラー
NPO法人 葬送の自由をすすめる会 西田真知子氏
NPO法人 りすシステム 松島如戒氏
認定NPO法人 エンディングセンター 井上治代氏
コーディネーター
葬送ジャーナリスト 碑文谷創氏
基本的に自然葬に関するものでした。
中でも1991年に日本初の散骨を西田氏のNPO法人が行い、その際に法務省から「葬送として節度を持って行えば、法令違反として訴追することはない」とのコメントを得たとのことです。しかしながら、現在も「自然葬推進法」の制定を目標に活動しているおり、やはり散骨のグレーゾーンは払拭できていないようです。
また、山での自然葬も同様の政府見解により合法と解釈されているようですが、墓埋法に照らしても墓地以外での埋葬であり、わたしには違法としか思えず、疑問は払拭されませんでした。
次にNPO法人りすシステムからは生前契約について積極的にすすめており、任意後見人や死後事務委任契約等、終活において一番やっかいな作業について積極的に行っており、利益を優先する企業にはできない、NPO法人にしかできない活動をしているようです。
この点については当社としても現在検討中であり、今後、同NPO法人と連絡を取って詳細をお聞きしたいと思っています。
認定NPO法人エンディングセンターからは、島根県隠岐島のカズラ島という無人島を買い取り、海洋散骨場にしているとのことでした。また、介護施設が公園的な墓苑経営に乗り出している等、最近までタブーとされていた業界においても霊園事業に乗り出しているとのことでした。
そして最終セミナー
葬儀担当者のための、式場セミナーの企画運営方法と事前相談の運用
講師 東京葬祭尾上正幸氏
いわゆる終活セミナーの方法なのですが、テクニック的なことが多く、口外不用ということなので、レポートは出来ませんが、中々面白いセミナーであり、今後のセミナー活動の参考になりました。

さて、3日間9セミナーを受講した訳ですが、本当に刺激的な展示会でした。しかし、同一項目の統計数字に差異がある等、各セミナーの都合によるところがあったり、法解釈に問題があったりとツッコミどころもありましたが、これは業界全体が成熟していない証拠であり、後発の当社にもチャンスはおおいにあると確信しました。